深い噛み合わせ(過蓋咬合)
深い噛み合わせ(過蓋咬合)
過蓋咬合の原因
過蓋咬合は上と下の歯が深く咬み込みすぎている状態を示し、それがゆえに下の歯が上の歯に覆いかぶされて隠れて見えないことが多い咬み合わせです。
- 上下のあごの骨の大きさにバランスがとれていない場合
- 骨のバランスに大きな問題がなくとも、骨からはえる上下の前歯の位置や角度に問題があり咬み合わせのバランスがとれていない場合
過蓋咬合で特徴的な現象の1つとして上下の前歯の位置や角度に影響され常に下あごがうしろに押し込まれるといった現象がおきます。そうするとあごの関節(顎関節)に圧迫が生じて顎がカクカクなる、口をあけると顎が痛い、口が開きづらいといったいわゆる『顎関節症』を引き起こしやすいと言われています。
顎関節症の症状が出ていないとしても、過蓋咬合によってあごの関節には常に負担がかかっている咬み合わせと言えます。
過蓋咬合を矯正する際の
矯正方法について
過蓋咬合は原因をしっかりつきとめて改善方法を決めることにより非抜歯で治療を行うこともできます。
しかし、あごの骨のバランスがとれていないケースや顎関節症を合併していることも多く見受けられるため、その方に合った治療手順と方法をとる必要があります。また、極端に上下のあごの骨のバランスがとれていない場合には外科的な治療方法が治療選択肢の1つとなるケースもあります。
症例
case.1 過蓋咬合・上顎前突・叢生:抜歯
抜歯ケース
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before
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after
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before
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after
初診時年齢 | 17歳2ヶ月 |
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主訴 | 歯ならびをきれいにしたい、 上の前歯がでている。 |
治療期間 | 1年半〜2年(約24回の通院) |
治療費 | 約130万 (税込み・保定観察料も含む) |
治療内容 |
前歯の咬み合わせの深さも深く下の前歯が見えない状態で、歯ぎしりもしていたので、一部の歯がすり減っていました。 矯正装置は舌側ブラケット装置(ハーフリンガル)を使用し上の歯は裏側・下の歯は表側につけて上の歯だけ計2本の小臼歯を抜歯して治療しました。 すり減った前歯は矯正治療後に形を整えるために再修復する事になりました。 |
治療のリスク | ※治療上のリスクとして歯肉退縮、顎関節症、歯根吸収、カリエス、失活歯、根の露出、骨隆起、歯周病があります。また、治療には個人差があります。あくまでご参考とお考え下さい。 |
case.2 過蓋咬合・上顎前突
抜歯ケース
治療前:
歯を抜いてから治療を開始します。
治療中:
歯を抜いたスペースを利用して前歯を後ろに下げています。
治療後:
上顎前突(出っ歯)がきれいに改善されており、咬み合わせもよくなりました。
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before
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after
初診時年齢 | 13歳6ヶ月 |
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主訴 | 歯ならびが悪く上の前歯がでている。 前歯でものが咬めない。 |
治療期間 | 1年〜1年半 (Ⅱ期矯正治療の通院回数 約18回) |
治療費 | 約100万 (税込み・保定観察料も含む) |
治療内容 |
もともと重度の上顎前突でⅠ期矯正治療を行っています。 I期治療で歯列の矯正や顎骨成長のコントロールを行った事でⅡ期矯正治療では最小限の抜歯(上の両側小臼歯計2本)で済み、治療期間も短縮させることができました。Ⅰ期・Ⅱ期治療ともに歯の表側にメタルブラケット装置を使用して治療を行いました。 |
治療のリスク | ※治療上のリスクとして歯肉退縮、顎関節症、歯根吸収、カリエス、失活歯、根の露出、骨隆起、歯周病があります。また、治療には個人差があります。あくまでご参考とお考え下さい。 |