マウスピース型矯正装置
マウスピース型矯正装置について
マウスピース型矯正装置とは
患者様の歯並びを基にコンピュター上で歯を動かすシミュレーションを行ってデザイン製作されたマウスピースを患者様自身が使用して歯を動かしていく方法です。
マウスピース型矯正装置の治療方法
患者様専用に製作された超薄型の透明なプラスチック製マウスピースを患者様自身が24時間使用することで少しずつ歯を動かしていきます。
マウスピース型矯正装置による治療の注意点
近年カスタムメイドの透明なマウスピース型矯正装置 (以下アライナー) の使用が増加しております。
しかし、このようなアライナー型の矯正装置に関する臨床的研究は少なく、その安全性と有効性が科学的に高いレベルで明らかにされるには至っておりません。
したがって、この装置に対する社会の期待は大きいものの、全ての症例を本装置ので治せるということは考えにくく、この治療方法に関する様々な広告内容も日本正歯科学会の倫理規定に沿ったものであるかは不明です。 また、使用の適否の判断や不測の事態への対処、治療結果は、術者たる歯科医師の責任となります。
そのため、矯正診療に関する専門的教育 (教育機関における基本研修) を修めた上で高度な診断能力、治療技能、経験を有していることが不可です。患者様におかれましては、治療を受けられる際に、その治療法の利点・欠点、及び代替治療法について、十分に説明を受け、理解された上で、同意して下さい。
マウスピース型矯正装置による治療には、以下の利点・欠点を踏まえた適応症の判断や専門的知識を要することから、大学院等や学会が認める基本研修機関において十分な矯正歯科領域全般にわたる基本的な教育と臨床的なトレーニングを受けた歯科医師による診察、検査、診断を基に治療を行うことが推奨されています。
個々の患者様専用のマウスピースを製作する上で矯正治療に対する専門的な知識がある者による診断と設計が必要でありその方が理想的といえます。
マウスピース型矯正装置の
メリット・デメリット
メリット
- 使う装置が透明なので目立ちません。
- ワイヤー矯正に比べてお口の中を傷つけることがほとんどありません。
- 食事や歯磨きの時に矯正装置が取り外せるのでいつもとかわらない食事ができます。
もちろん歯磨きも今まで通りにできます。 - 装置は使い捨てなのでいつも清潔です。
- 金属アレルギーの心配もありません。
- 結婚式などのイベントにも対応できます。
- 虫歯や歯周病のリスクが下がるというメリットもあります。
デメリット
- 自分で長時間マウスピースを装着しなければなりません。
- 症例適応が限られています。(抜歯が必要なケースなどは適応しにくい)
- 紛失の可能性があります。
- 装着時間が短いと歯が動かないため使用状況が悪いと治療期間が長くなります。
- 舌側矯正治療ほどに矯正装置を隠せません。
(歯の表側にもマウスピースが覆っているので)
マウスピース型矯正装置の特徴
人と会ったり、しゃべる機会が多い仕事の方でも他人に気づかずに歯列矯正を行えます。
社会人の方や年配の方でも負担が少ない矯正方法といえます。
こんな方に
オススメです
- 矯正器具が目立たないように治療を
受けたい方。 - 人と会ったり、しゃべる機会が多い
お仕事の方。
マウスピース型矯正装置の
できるケース・できないケース
できるケース
- 歯を抜かなくても治せる歯並びの乱れ
(軽度のでこぼこ) - すきっ歯
できないケース
- 歯並びの乱れが大きい(でこぼこが大きく、歯の移動距離が長い)
- 歯根を動かさないといけない症例
- 上下顎前突(上の歯も下の歯も出ている)
- 顎変形症(骨格的な問題がある)
年齢制限と治療期間、費用について
年齢制限 | 混合歯列(乳歯と永久歯が混合している)〜成人まで |
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治療期間 | 数ヶ月〜3年程の治療期間となります。 |
治療回数 | 数回〜36回の治療回数となります。 |
費用
矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自費診療(自由診療)となります。
マウスピース型矯正装置の流れ
カウンセリング
治したいところをしっかりヒアリングして、マウスピース治療で問題点が全て改善できるかどうかをご説明いたします。
検査
矯正治療に必要な精密検査を行います。
診断
精密検査とヒアリング、患者様のご希望をもとに診断を行って治療方針を決定します。
治療開始
専用のマウスピースをお作りするために歯型をとります。後日マウスピースが届いたらマウスピースを装着して治療を開始します。
保定
治療が完了したら、その方に合わせた方法で歯並びを固定します。
メインテナンス
3ヶ月おきに経過観察を行います。
マウスピース型矯正装置の
よくあるご質問
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ただ、はめるだけでは理想的な歯の移動は望めません。マウスピースをはめた後でその都度『咬む』という動作を行う必要があります。より効果的に歯の移動をさせるためには専用のチューイング材(咬む材料)を使用するという方法もあります。
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24時間(食事と歯磨き以外の時間)が理想です。
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ケースによっては適応できる場合もありますが、マウスピースだけでは治療が困難な場合もあります。まずはご相談の上お口の中を診査させていただく必要があります。